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💡 要するにどういうこと?
普通のロールアップだとセトルメントの検証におけるルールのアップグレードにはL1のガバナンスやマルチシグで承認が必要だから、ロールアップに主権がない(=L1・Ethereum次第)
ソブリンロールアップだと、セトルメントの検証はロールアップ側のノードオペレータが選択でき=検証メカニズムなどもカスタムできるから主権がある
したがって、ソブリンロールアップの場合は検証にEVMスマートコントラクトが必要なく、各プロジェクト(Rollup)毎にSettlementまでのルールをコントロールできるのが利点となる
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ソブリンロールアップの概要
OptimismなどのRollupはトランザクションの実行(Execution)のみを行なっていて、決済(Settlement)以降のレイヤーはEthereumが行っている。もしRollupのアップグレードを行いたい場合は、Ethereum上のスマートコントラクト(決済レイヤーを担当している)を変更する必要があるため、マルチシグを持っているアカウントやガバナンスによってアップグレードの実行可否を決めることになる。
一方、Sovereign Rollupの場合はトランザクションの実行(Execution)と決済(Settlement)をSoverieign Rollupが行い、ConsensusとData Availabilityは別チェーンが行う(ここではDAレイヤー=Celestiaを想定しているからだと思われる)。Sovereign RollupのアップグレードはL1のようにRollupノードのフォークによって実行することができ、ノードオペレーター側はソフトウェアのアップグレードをするかどうか選択できる(主権がある)。
スマートコントラクトを作る以上はそれが動くチェーンのルールに従う必要があるけど、Sovereign Rollupの場合はスマートコントラクトが必要なく、各プロジェクト毎にSettlementまでのルールをコントロールできる
ソブリンロールアップの定義と特徴
- ソブリンロールアップとは、トランザクションの順序付けとデータの可用性をレイヤー1(L1)ブロックチェーンに委ねつつ、独自のセトルメントと検証プロセスを持つブロックチェーンの形式のこと。
- 普通のロールアップとの主な違いは、トランザクションの検証方法です。普通のロールアップではイーサリアムのスマートコントラクトにより、ソブリンロールアップではそのロールアップのノードにより検証されます。
- DA レイヤーはソブリン ロールアップ トランザクションが正しいかどうかを検証しない。
- ソブリン ロールアップを検証するノードは、新しいトランザクションが正しいかどうかを検証する責任がある。
- DA レイヤーに発行されたトランザクションをノードが検証し、それが無効である場合、ノードはそれを拒否して無視する。DA 層ではなく、ソブリン ロールアップが正しいチェーンを決定する責任を負う。
- ソヴリンロールアップは、自身のガバナンス、検証ルール、およびセキュリティメカニズムを持つことができ、より高度なカスタマイズが可能です。
- ソブリン ロールアップは、レイヤー 1 ブロックチェーンと同様にフォークを介してアップグレードされます。新しいソフトウェア バージョンが公開され、ノードはソフトウェアを最新バージョンに更新することを選択できる。ノードがアップグレードに同意しない場合は、古いソフトウェアを使用し続けることができる。選択肢を提供することで、ノードを実行するコミュニティが新しい変更に同意するかどうかを決定できるようになる。ほとんどのノードがアップグレードされたとしても、アップグレードの受け入れを強制することはできない。この機能は、スマート コントラクト ロールアップと比較して、ソブリン ロールアップを「ソブリン」にするもの。
- スマート コントラクト ロールアップのアップグレードの性質上、一連の困難なトレードオフが生じます。ソブリン ロールアップでは、フォークによるアップグレードが標準であり、ユーザー (ノード) がアップグレードをオプトインまたはオプトアウトできる。
ソブリンロールアップのメリットとデメリット
- メリット: 柔軟性、カスタマイズ性、および独自のセキュリティとガバナンスメカニズムを持ちます。
- デメリット: セトルメントの遅延、セキュリティと分散化の問題、およびコンセンサスメカニズムの複雑化などが挙げられます。